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2023/05/05 12:27

世界五大医学誌の一つである英国「ランセット」が専門家委員会を組織して研究している認知症発症のリスクをご紹介します。

過去のデータから導き出した”認知症のなりやすさ”はこれまでのところ40%判明しています。
①難聴8% 【聴き取りづらいことは⑤の社会的孤立につながります、人と会うのも外出も億劫に】
②知的好奇心が低い7% 【正確には「教育歴の低さ」と記載されています。知的刺激のもとになる大切な要素です】
③喫煙5% 【言わずと知れた万病のもと、認知症はもちろん様々な病気の原因になります
④抑うつ4% 【これも⑤の社会的孤立につながります】
⑤社会的孤立4% 【他者とのコミュニケーションが失われると脳への刺激がなくなります、自分だけでは認知症に気づけません】
⑥頭部外傷3% 【直接的な脳へのダメージが後々”血管性認知症”の原因になります】
⑦運動不足2% 【適度な運動をすることで、認知症の入り口である”フレイル”(※1)を予防しましょう】
⑧高血圧2% 【血管への負担を強いる高血圧は脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血の原因になり血管性認知症リスクを高めます】
⑨大気汚染2% 【大気汚染物質PM2.5はアルツハイマーの原因と言われるアミロイドβ(※2)の蓄積を促進させる可能性】
⑩過剰飲酒1% 【1%だからと油断してはいけません。そもそも脳はアルコールの影響を受けやすい臓器なのです】 
⑪糖尿病1% 【糖尿病の方はアルツハイマー型認知症に1.5倍なりやすく、血管性認知症に2.5倍なりやすいとの研究があります】
⑫肥満1% 【上記の糖尿病、高血圧、運動不足につながるリスクです】 以上で合計40%。 いかがですか?これをクリア出来ていれば、認知症のリスクは4割減らすことができます。
認知症予防のキーワードは「運動」「社会参加」「バランスのとれた食事」です。

近い将来、このキーワードに「良質な睡眠」が追加される話が出ています。原因といわれるアミロイドβは、高齢になってから出現するタンパク質ではありません。若い時代は寝ている間に脳外に排出されているそうなんです。睡眠の量よりも質がポイントのようですので、みなさんも日中の運動量や寝具を工夫して睡眠をとってみてください。

※1 フレイル・・「健康」と「要介護状態」の間に位置する状態です。身体の機能や認知機能が低下している状態で、この時点で予防や治療を行っておけば要介護を避けられる可能性が高まります。
※2 アミロイドβ(ベータ)・・脳内のタンパク質、脳に蓄積されることで神経細胞を損傷し認知機能に障害を与えてアルツハイマー病になるといわれています。
注:上記のリスクには遺伝的な要素は加味されていません。